いのりのしんじゅ

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セラミック核形成

粉末状にしたお骨を粘土と混ぜ合わせて手作業で7mm前後の核を形成します。
右端の黒い粘土は通常の粘土で、3割程お骨を混ぜ合わせると白い粘土となります。
磁器の食器なので有名な ボーンチャイナ は牛の骨を34割混ぜ合わせますので、同じ手順です。
90珠の核を作るのに お骨の含有量を3割とすると必要な量は15gとなります。
それ以下の場合でも含有量が減少するだけで核の製作は可能です。
自然相手の真珠養殖 万が一の赤潮・風水害等を想定して同じ量のお骨のバックアップをお願いしております。

稚貝からの養殖

母貝として使うのは 稚貝から23年養殖した貝を使います。
真珠の大きさは基本的に 挿入する核の大きさで決まりますが、真珠層の厚みで0.51mm程度の差は出ます。
3年以上経過してしまった貝は 活力が落ちているので、仕立て・核入れ後の死亡率が高くなり基本的に使いません。
 

仕立て・栓差し

核入れの前年の11月より貝の仕立てが始まり核入れ時期の5月迄長い期間を要します。
核入れは母貝の身にメスを入れて挿核する手術です。
写真下の黒い籠が抑制籠で、前の年の秋頃から貝を詰めて極めて遅い水の流れにすることにより 活性を弱め麻酔を打った様な冬眠状態にします。
生殖腺(卵)の発達は 真珠のシミゃ傷の原因になりますから同時に冬の低温を利用して生殖腺(卵)の発達を抑制します。
あまり知られていませんが、良い真珠が産まれる8割は仕立て状態と言われています。
栓差しは核入れ前に木製の楔を貝の口に入れ込みますが、活性の高い貝では栓差しも不可能なのです。
基本的に 核入れできる貝の量は 11月からの仕立ての量で決まってしまいます。

母貝と細胞貝

真珠の輝きは あこや貝の内側の層と同じです。
層を形成する細胞を利用して真珠が出来上がるので、近年では養殖に使う母貝と細胞を採取する細胞貝を分けて養殖しています。
写真右側が母貝 左側が細胞貝です。


外套膜切取り

細胞のある外套膜 (貝ひも) の部分を切取ります。
この作業からを 細胞切り (ピース切り) 作業と呼ばれています。

細胞切出し

外套膜は外套膜縁部(先端部)・外套膜部(縁膜部)・外套膜部(中心) の三つですが、使用する外套膜部(縁膜部) を専用メスで切取ります。


細胞切り分け

核の大きさの約40〜50%の大きさに細胞を切り分けます。

細胞色付け

核入れ時の核と細胞が密着しているかの確認が出来やすい様に色をつけます。


メス入れ

貝の身に核を入れるための道を作ります。

核挿入

椀型の先端形状の挿入器具に核を水により密着させ挿入します。


細胞挿入

色付けした細胞を先に入れた核に密着させます。
※手順としては細胞を先に挿入する場合もあります。

核入最終確認

核に細胞が密着しているか確認して終了です。
後に細胞が核より離れてしまった場合は真珠にはなりません。
離れてしまった細胞だけが残り 無核真珠のケシと呼ばれる1mm程度の真珠が出てくる事もあります。


養生籠入れ

核入れ後 お客様の手で籠に貝同士密着させて並べていただきます。
貝は水の流れにより活性化しますので、活性化を弱める為に密着させて籠に入れます。
静かな作業場の海で傷養生期間となります。

養生籠 海へ投入

お客様の手で静かに海に戻します。
これで、大切な方とは 12月の浜揚げ迄のお別れとなります。


養生期間終了

2〜4週間経過した後 海から籠を引き上げます。
貝の口の部分の葉先が伸びていれば元気に回復したサインです。
この時点で、1〜2割は手術に耐えられなくなくなってしまいます。

ネット入れ前の貝掃除

2〜4週間でも 貝に海中の生物が付着しますので、専用機械で取り外します。

ネット入れ

綺麗に掃除した貝をネットにいれます。
これで深場の海に移動する準備ができました。

沖出し

ネットに入れた貝を潮通しの良い水深の深い場所に移動します。

沖出し後の貝

水温も高くなり海の貝や微生物の活性も上がってきます。
一週間でこんなにも付着します。

貝掃除

船にクリーナーと呼ばれる機械を積込み船上で一枚一枚機械にネットを通して掃除します。
貝に付着した牡蠣の稚貝やフジツボ類は機械では取れないので、手作業となります。
水温が高い時期は一週間に一度掃除を行います。
水温が下がるのに合わせて掃除の頻度も少なくなってきますが、作業は浜揚げ直前まで続けられます。

7月 貝の避暑

あこや貝の警戒水温は27〜28°Cで、ネットを吊るしているロープを伸ばしてより水温の低い場所に移動させるのですが、湾の奥地では対応しきれない可能性があるので貝の移動を行います。
※湾内でも潮通しの良い場所での避暑はありません。

貝の避暑地

英虞湾から的矢湾に避暑となります。
御木本 幸吉は半円真珠の特許を取得していますが、真円真珠の発明者は見瀬 辰平で的矢湾で研究を開始していますので、真円真珠の発祥の地でもあります。
今では英虞湾内は真珠養殖業の衰退で養殖場所も混み合っていませんが、広々とした海面の方が栄養も豊富で真珠の育成の為には良いと続けています。
秋の声が聞こえたら英虞湾に戻します。

 

11月 貝の避寒

あこや貝の生活水温は13〜25°Cです。
貝の生きられる最低水温は8°Cが限界ですから 英虞湾内では冬を無事に越せないのです。
冬場の水温は外海に近い場所の方が暖かいので、育成中の稚貝・翌年の為の仕立ての貝・年越しの核入れした貝は全て英虞湾より西側の外洋に近い静かな湾に移動して春を待つのです。

12月 浜揚げ

 
12月になり水温が下がりはじめると浜揚げの開始時期となります。
水温が下がると真珠にテリが出ると言われておりますが、年末ギリギリは水温が下がりすぎて貝の状態が心配な時期です。